年齢が高くなるほど、経営管理ビザの取得難易度は上昇します。特に60歳以上の申請者の場合、審査がより厳格になる傾向があります。これは、入管局が事業の継続可能性という観点から、高齢者の審査を慎重に行うためです。

以下では、年齢と審査の関係について詳しく解説します。

60歳以上で国内に経営経験がない場合の審査ポイント

60歳を超え、母国で経営管理経験がない場合、以下の2点について重点的な審査が行われます:

1. 事業の継続性の証明
  • 具体的で実現可能な事業計画書
  • 明確な経営目標や収支計画
  • 資金の出所や安定性の説明
  • 顧客獲得方法やマーケティング戦略
2. 個人能力(スキル)の証明
  • 学歴や職歴、関連分野での実務経験
  • 日常業務で必要な日本語能力(または英語能力)の有無
  • これらの能力が事業計画とどのように関連するかの説明

過去に主婦だった、経営経験がない、関連分野での職務経験がない、または日語能力が不十分で日本語を必要とする事業を計画している場合、経営能力不足と見なされる可能性が高く、審査難易度がさらに高まります。

年齢が高いほど健康面の審査も厳格に

70代や80代といった高齢の申請者の場合、審査には健康状態や体力に関する証明が必要となる場合があります。

  • 健康状態が良くない場合、入管局は事業を長期的に安定運営することが難しいと判断する可能性があります。
  • 健康診断書や体力的な問題がないことを示す資料が、審査を通過する鍵となります。

60歳以上で日本に子どもがいる場合の審査

私たちが過去に扱ったケースの中には、60歳以上の申請者が日本に住む子どもと一緒に生活することを目的として申請を行う事例が多く見られます。この場合、提出書類に日本での親族関係が記載されることが一般的です。

しかし、以下のようなケースは拒否される可能性が高くなります:

  • 実際には本人が事業を経営する意図がなく、子どもが代わりに経営を行う予定である。
  • 過去の類似事例が多かったため、入管局はこのような「経営管理ビザを利用して移住する意図」を厳しく審査しています。

年齢が高くてもビザ取得が可能なケース

一方で、以下の条件を満たす申請者であれば、年齢が高くても経営管理ビザを取得できる可能性が高いです:

  • 母国で豊富な経営経験を持つ。
  • 健康状態が良好で、長期間の事業運営が可能である。
  • 事業計画書が具体的かつ信頼性がある。
  • 事業内容が本人の能力や体力で無理なく遂行可能である。
  • 資金が十分に用意されている。

これらの条件を満たしている場合、高齢の申請者はむしろ豊富な経験を持つ安定した経営者と評価されることがあります。

まとめ:年齢は決定的な要因ではない

経営管理ビザを申請する際、年齢が高いことで審査が厳しくなることはありますが、年齢だけが結果を左右するわけではありません。以下の2点が取得の鍵となります:

1. 母国での経営管理経験

• 過去に事業を成功させた実績は、日本での新規事業の可能性を高めます。

2. 健康状態の証明

• 健康であることを証明できれば、事業の継続可能性を示す強力な材料となります。

高齢申請者の場合でも、事業の持続可能性と合理性をしっかりと証明できれば、十分に許可を得る可能性があります。不安がある方は、ぜひにご相談して確実な申請準備を進めましょう。